知った方がよかった記念日 2011年06月21日 健康 2 本日は長年気にかけてはいたが「見て見ぬフリ」をしてきた事実に向き合う為にこんなところに来た… この重厚な佇まい…ただ事ではない… 入り口を抜け、人々の視線をかいくぐるかのように2階に抜ける… なにやら重苦しい雰囲気… 数人の男性がベンチに腰掛けて居たが、皆会話どころか目すらあわそうとしない… この場所は生まれて初めてなので「しきたり」や「風習」などはまったく知らない… まわりを見渡すと、待っている男たちの行き先を決めている中年の男性がいた… その男にデカイ声でこう告げる… 「エイズ検査ってココっすか~?」 皆がこちらを見る… 「オレは場違いなのか?」 不安に刈られる… 中年の男性は番号札を持って待機しろとの指示を出してきた… 「こちとら仕事の合間を縫って来たと言うのに待たせるとは何事だ!」 と、怒鳴り散らしたかったが、こいつがボスっぽいのでとりあえずおとなしくしていようと思う… それから、1分もたたないうちに「コチラの部屋へどうぞ~」と案内された。 それと同時に今さっきワザワザ取りに行った番号札を取り上げられる… 「なんだ?オレは番号札をお前のために運ぶ仕事に来たのか?」 と言いたかったが、ボスには逆らわない方が賢明だと大人の判断をし言うとおりにした… そして、しばしの会話の後… 別室に招かれた私は白衣を着た老女の指示通りに椅子に座らされた。 その時に2・3質問されたがどうでもよいことだったと思うので今は覚えていない。 そしてその老女が不敵な笑みを浮かべながら俺の手を縛り上げる… 正直、縛られるのは初めてではないが慣れてもいない… 自然と心拍数が上がり、心なしか体温も上昇しているようだ… するとどうだろう…その老女は私の心を見透かしたかのように 「私も注射するのはイイんだけど、注射されるのは緊張するからイヤだわぁ~」 などと言うではないか! 「注射する?」「注射される?」そんな言葉を聞いて心拍数が上がった俺はどうかしてるのか? ココはそうゆうお店じゃないぞ?!それに今は昼間だ!しかも勤務中だ! そうこうしているウチにコトは済んだようだ… 狭い密室に「お疲れ様」と笑みを浮かべた老女と、すっかり「搾り取られた」私がいる… 「くそ~!無料だっていうのに行政はココまでするのか!」 そしてスグに開放された私は1時間半後にこの場所に戻ってきた… 先ほど会った老女のテクニックに未練があったわけではない… コレを貰いに来たのである… 1時間半の間実に緊張した… 人生の事をイロイロ振り返った…ちょっとニヤっとした… ただただ皆の無事を願った… 本当は自分が無事であれと願ってたのかもしれない… ちょっと自分がイヤになったりもした… でもオレは「神」だから大丈夫と…ワケのワカランコトを考えたりもした… だがそんなことはどうでもいい… 今、こうやって日記をかけているコトが幸福であり、感謝すべき日常なのである。 仮に「陽性」の反応が出たら、今ブログなんて書いてないと思う… 多分、グーグル先生を頼りに助かる道を探し回っているか、酒におぼれてトイレと友達になっているか… 考えただけで恐ろしい… そう、今回私は「ただ運がよかっただけ」なのである。 自慢ではないが私は浮気をしたことが無い。 地元のツレの中でも私を含めて2人という希少な人材である。 もう石田純一とは真逆の天然記念物的価値がある人間なのかもしれない。 でも「ただ運がよかっただけ」なのである。 今日の午前中は本当に言いようの無い恐怖に駆られていた。 通知をもらう時なんて全身からの発汗が止まることは無く、聴覚は己の心拍音に支配され、目の前はあわや真っ白になるところであった… だが、最初に会った中年の男性に「陰性です、問題ないですよ」と、通知をもらった瞬間に現実に戻れた気がする… こんな恐怖はもうゴメンだ…1つ乗り越えた気がした… そう、ココに来るまで1年以上かかった… 検査が匿名無料で出来ると知ったのは1年以上前…ラジオのキャンペーンCMで知った… でも勇気が無かった…本当に怖かったのである… そう…いつも見て見ぬフリをしているステアケース・ヒルクライムそれにドロップオフ…成功の確証なんて全く無いそれに似ている… でも時間はかかったがココまで来る事が出来た。 「陰性」「陽性」…「成功」「失敗」…人生に確証なんてない… 結果は何であれその場に立って挑んだ事に意義があると思う。 とにかく今日こうして日記が書けたことがうれしい。 だから今日「6月21日」は「知った方がよかった記念日」 [0回]PR